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「ロボット」という名前の発明者ということで有名なチェコ・スロヴァキアの作家カレル・チャペック氏は、園芸家たちが新しい品種の種や球根の蒐集に東奔西走し、新しい苗木の植え場確保に目の色を変え、旅行中の水遣りの悩みに叫び出しそうな思いをして時を過ごし、庭の植物の冬支度を終えやっと一息ついた所で「庭の花たちをゆっくりと鑑賞することを忘れていたことに気付く」と、ユーモアたっぷりにエッセイに描いた。(『園芸家12ヶ月』中央公論)
幸か不幸か、狭いベランダスペースしか持たないよしきには、数少ない花をじっくりと眺める時間がある。(それでも狭い所にばらだけで13鉢、ぎゅうぎゅうに詰め込んでいる…が、マシな方だろう。球根モノにハマった方々の秋口の熱狂ぶりを思えば、可愛らしいものだ)
チャペック先生の分ものんびり鑑賞。小さな幸せ。
掲示板などで散々告白しておりますが、このカーディナル・ド・リシュリューにsanzoと名を付け、育てて来た訳ですな(笑)。まん丸な蕾が、ふっくら、ふっくらと大きくなり、葉自体もなんとも芳しく、毎朝、蕾を両手で包み込んでは「sanzo、今日もキレイだね」「sanzo、いい香りだね」……と。(狭いベランダ一周に30分かけるので、ちょっとアブナイ人)
結構楽しいです。植物に親しみを持てるという点では、名前を付けるということ、お勧め出来ますね。 |
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