| 伝えられなかったこと / くろいぬ |
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【R指定】【強姦】【ヒューロイ前提ハボロイ】20:46 03/10/06 『届かぬ想い』 『公私混同とは貴方らしくないですね』 『「公」も「私」もあるものか。大総統の地位をもらうのもヒューズの敵を討つのも、全て私一個人の意思だ!』 ヒューズ准将の葬儀後、ロイ・マスタング大佐は軍法会議所へ直行した。会議所内でのヒューズの最後の様子を尋ね、資料室に残る血痕を確認し、殺害現場を訪れた。 東方司令部へ戻ったアイホーク中尉は、ハボックに大佐の行動を伝えた。 「冷静に事実を把握しようとなさってたわ」 「弔い合戦の仕度でもしなけりゃ、やってられないんでしょ。親友が訳も分からぬまま殺されたんだ。自分の目で確かめて調査しなけりゃ納得出来ゃしませんよ。ましてや、その親友が自分に最後に何かを伝えようとしていたとあっちゃ……」 ハボックは過日のロイの様子を思い返した。 ヒューズからの電話の様子に異常事態と悟ったロイは、すぐに電話交換手に逆探知を命じた。同時にセントラルの軍法会議所に連絡を取ったが、その時には既に、会議所は大騒動の真っ最中だった。 『中佐が怪我を負って所の外部へ向かった姿を、電話交換手が確認しております。所内で事故が起こった様子で、既に憲兵が捜索を開始しておりますが……』 『何が起こっているというんだ!?』 逆探知成功の知らせと、ヒューズの遺体を発見したという連絡は、ほぼ同時だった。 『一体何が……奴は一体、何を私に伝えようとしたというんだ……!!』 静まり返った司令室内に響いた、呻くようなロイの声が、ハボックの耳から離れようとしない。 「いっそ、女みたいに泣き喚くことが出来りゃ、少しはラクになれるんでしょうにね。……失礼、中尉を侮辱するつもりは全然……」 「今回は聞き逃します」 慌てて弁解を始めるハボックに、中尉はちらと目線をやった。 「私も同じことを思ったから。大佐の心は大佐ご本人にしか判らないけれど、楽になどなりたくないと思っておいでかもしれない」 「……辛いっスね」 「見てるだけは辛い? なら、少尉も準備を始めなさい。大佐が動き始めたら忙しくなるわよ」 「身辺整理でも始めますかァ」 中尉の去って行く足音がヒールの踵の立てる硬質な音であることに、ハボックはぼんやりと気付いた。彼等は葬儀に列席してそのまま東方司令部へ戻って来たのだ。正式の軍服から喪章を外す暇もない。喪服のままで戦闘準備を開始した中尉の後ろ姿を、ハボックは感嘆を持って眺めた。 「女の人は強いねえ」 大事な友を亡くしたばかりで殺害現場を歩き回ったという上司が、天井まで届く書棚に囲まれた司令部内の自室に、ひとり閉じこもった切りであることが気にかかった。 ノックの返答を待たずに、ハボックはロイのいる部屋の扉を開けた。 「入りますよ」 「暫くひとりにしてくれないか」 分厚い本を何冊も開いて積み上げた広いデスクに、ロイは肘を突いて両掌を組んでいた。きつく組んだ指に、額を押し付けていたのだろうかと、ハボックは思った。祈るかのような姿勢で、乾いた瞳で何を思っていたのだろう。 「悪いが流石に余裕がない。静かにしてくれ」 「静か過ぎんのも精神衛生上どうかと思いますがね」 「君には関わりのないことだ、ハボック少尉」 「言い切られるのも、キツいですねえ」 ハボックが後ろ手に扉をロックしたことに気付き、ロイの声が尖った。 「出て行け」 「用事が済んだら大人しく出て行きますよ」 大股でデスクに近付き、ロイの両腕を掴み取る。 「喪服ってそそられるもんなんですねえ」 「何を……、……ぐっ!?」 ハボックはロイを椅子から引っ張り上げ、その躯を壁に叩き付けた。背中を強打し一瞬呼吸を詰めたロイを、ハボックは両腕を張り付けるように壁に押し付ける。 「正式の軍服に喪章。抑制の象徴ですね。滅茶苦茶にしたくなる」 「遊ぶ気分じゃない。今すぐ離さないと殺すぞ」 「喪章に黒髪って、白の手袋が映えるもんなんですね。発火布の手袋じゃなくてよかった」 「貴様ッ!!」 炎を吹き上げそうなロイの双眸を、ハボックは間近から見下ろした。 「あんたのそういう顔、大好きですよ。精一杯抵抗してくださいね」 「ハボック、ヤメろ……っ」 優しく囁き耳朶に舌を這わせながら、ハボックはロイの両腕を頭の上に掲げさせて片手で押さえ込んだ。 「何の冗談だ! ハボック、たった今この手を離せ!!」 「折角喪に服してるんだから、俺なんかじゃなく故人のことを考えててくださいよ。俺じゃなくてヒューズ准将の名を呼んでくださいよ」 ロイの躯が強張った。 「真剣に叫ばないと、天国まで声が届かないっスよ?」 ハボックはロイの耳元で囁きながら、軍服の肩から斜めにかけた喪章の上を、胸から腰まで人差し指でゆっくりなぞる。 「何を……」 「助けに来いって、准将の名を叫んでください。早く来ないとヤられちゃうからって」 「!!」 制服の裾から忍び込ませた手で、必要以上に金具の音をさせてベルトを外し、ボトムを足下へと落とす。 「ハボック、よせ! やめろっ」 「俺じゃないって。『ヒューズ』。『ヒューズ』って呼ぶんですよ」 「……!!」 ハボックは強張る唇をそっと食むようにくちづけ、ロイの性器に指を絡めた。 「馬鹿なことはやめろ」 「真剣ですよ。これから酷いことされちゃうんだから、大佐も真剣に助けを求めないと」 「くぅっ!」 宥めるようにそっとロイ自身をなぞっていた掌が、いきなり強く握り込み動きを早めた。 「唇噛んでちゃ声出せないでしょ? 喪服とか、こういう無理矢理なシチュエーションとかって燃えません? 最初のうちは優しくしますけど、早くノらないと後が辛くなりますぜ?」 「くっ、……はぁっ」 始めのうち反応を示さなかったロイ自身が、ハボックが言葉を重ねるうちに、僅かに頭をもたげ始めた。それを感じ取って小さく笑う吐息が、ロイの耳朶に伝わる。 「ああ、どんな時だって感じるモンは感じちまいますよね。 ―――― 淫乱な躯ですねえ」 「ハボック!!」 「そろそろいいかなあ?」 言葉と同時に、ハボックはロイの両脚の間に自分の腿を捻込ませ、強引に片脚を持ち上げた。半ばまで勃ち上がったものを中途半端に放り出し、双丘の間に指を突き立てる。 「あああッ!」 「咥え込んじゃいましたね。少しキツイ? でも痛いだけじゃなさそうですよね?」 「あぅっ、や、め……!」 「ここ?」 ハボックは突き立てた長い指を探るように動かし、ロイが反応する点に到達した。体内から腺を刺激され、ロイは硬く目蓋を閉ざした。 「可哀相なくらいに敏感ですね」 ハボックは閉ざされた瞳に唇を触れさせた。睫毛と、感情の振幅がそのまま現れる眉根の震えを、柔らかな唇で感じ取った。 「可哀相だけど、優しくしてはあげられないから」 ハボックは片手で自分のベルトを外し、ボトムをずらした。ベルト金具とジップの降りる金属質の音を聞いたロイが息を呑む。 「大佐、ちゃんと言って?」 「ッ! やめ……ッ!?」 熱を帯びたものを躯の中心に押し当てられたロイは、身を捩って逃げ出そうとしたが、冷たい壁に密着した背骨が微かに浮き上がるだけだった。ハボックが徐々に強く押し付ける熱源がロイの敏感な皮膚を引きつらせ、激痛と圧迫感を与える。 「ア・ア・ア……っ!」 「『ヒューズ』。」 「……っ、や、め。……ヒュ、ズ?」 「もっとちゃんと。動きますよ?」 「く、ああッ。ヒュ……ズ、ヒュ……!」 「傷付けたらスミマセンね」 「ハ、ボ、ック!?」 ハボックはロイの両腕の拘束を解き、軍服の下の裸の腰骨を両掌でしっかりと固定した。 「や、やめ、ああああっ!?」 立て続けに強く肉を打ち込まれ、躯を逃すことも出来ずにロイは叫んだ。ハボックの胸を押し遣ろうと、闇雲に腕を突っ張った。 「痛ぅ、ヤ、……ヒュー、ズ、ヒューズ! ……ヒューズ!!」 『ヒューズ!!』 皮膚が裂ける激痛と、傷から生温いものが腿を伝い落ちる感覚と。叫び続けて喉は嗄れ、躯の奥から揺さぶられた全身の、至る所が軋みを上げる。 倒れ込みそうなロイの躯をハボックの腕が支え、犯し続ける。 「ヨがれなんて言わないから。だから悲しい時はちゃんと泣いてくださいよ」 ハボックの声を聞き取り、ロイは不思議そうな表情を浮かべ見上げた。苦痛に滲む涙を唇が吸い取るのにも、また。理解不能と首を振る。 「何故お前が泣いてるんだ……?」 ―――― 届かぬ想いは、どこへと向かうのだろう。 fin. |