悟浄君の家庭の事情 -finale-
「たとえて言えば、
九回全部投げ終わって疲労してるのにもかかわらず、得点のほうは三点差とかで負けてて、
自分で打たなきゃならないピッチャーって感じ?」
「え?」
「俺の状況」
「・・あー」
「どうよ?」
「・・三点差じゃおさまら・・」
「実の兄を奈落の底に叩き落すようなことをこれ以上口にしたいとでも?」
「・・・・・・別に、俺はいいんだけど」
「そのわりには、なんか言いたそうじゃない」
「ただ、厳しくても現実は見つめた方がいいんじゃないかと思って」
「・・・・・・・・」
「・・けど」
「何よ」
「ツーアウトからでも、満塁ホームラン打てば、逆転できるじゃん」
「・・・・」
「三点差なら」
「・・条件つきかい」
「それに、ふと見た観客席から自分へ向けられる視線に気づくなり、
奇跡が起きちゃうのがドラマじゃん」
「・・さっき、現実云々って言ってなかったか?」
「それはそれ、これはこれ」
「第一、そんな熱い視線を送ってくれるような可愛い性格してるとでも?」
「だからー、それはそれ、これはこれ」
「まー、そういう素直じゃないところにも惚れちゃったんだから
仕方ねーんだけど」
「それに、あきらめるつもりないんだろ?」
「・・まぁねー」
「兄貴のそういうところ、嫌いじゃないけど」
「・・・・」
「いいじゃん、それで」
「・・・・」
「・・なんだよ」
「・・お前も、何やかやと言いつつ、大きくなってんのね」
「何だよ、それっ!」
「いやー、ちょっと目頭あつくなっちゃって」
「子供扱いすんなよっ!たった四歳しか変わんないじゃんかっ!」
「・・ハイハイ、ありがとな」
「・・・・」
「ま、基本は中立なんだろーけど」
「俺?」
「そ」
「違うって。俺は、三蔵の味方」
「・・ホントに、おーきくなったのな」
- end -
Limelight Memoryの勝俣薫さんより、サイトの人気連作『悟浄くんの家庭の事情』シリーズの中の、”酔っぱらい”なお話を頂戴致しましたv
ハーボットちゃんの20000カウンタ踏んで、リクエストテーマは『ゲーム』でした
それだけでなく、酒好き管理人の印象(二度ほどご一緒致しましたのよ、酒席をv)も含め、こんなにも豪華な連作を……奪い取りました(文字通り)
欲張りな自分の人生、遠慮もないが後悔もございません!
薫さん、素敵なお話をありがとうございます
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