akai tori nigeta 








 風が吹いた。
 纏うヴェールが、空気を孕んだ。
 三蔵の手から放れたヴェールは、茜に染まった鳥のようだった。
 記憶を取り戻したと同時に、何かを喪失してしまったのだと、三蔵は思った。
 振り向くと、風に飛んだヴェールを追い掛け、悟浄も茜の空を見ていた。
 朝焼けに照らし出された髪が、益々紅く輝いて、風に巻き上げられていた。

 赤い鳥のようだった。




比佐さんから、別館連載していた『akai tori nigeta』の、三蔵さまのイメージのイラストを描いていただきました。美人さんですv
どさくさに紛れて、本編から削った文章をくっつけてみたり^^;
比佐さん、いつもありがとうございますv







another country


index